タンパク質をたくさん摂取しているのに、なかなか筋肉がつかない・・・
このような悩みを抱える方は、摂取しているタンパク質の質を見直してみてください。
タンパク質はその種類により、質が異なります。
その質により、筋肉が十分に合成されるかどうかが決まります。
そこでこの記事では、以下の内容について解説します。
良質なタンパク質とは何か
良質なタンパク質の選び方
1. タンパク質とは何か?
本題に入る前に、そもそもタンパク質とは何かについて解説します。
タンパク質とは、アミノ酸の結合体です。
アミノ酸とは、私たちの身体を作るうえで、なくてはならない栄養素です。
タンパク質を構成するアミノ酸の種類は20種類あり、それぞれが異なる役割を持っています。
そのアミノ酸が50個以上鎖状に結合したものがタンパク質となります。
食事で摂取したタンパク質は、体内でアミノ酸へと分解され、私たちの身体を作るために利用されます。
つまり、私たちの身体はアミノ酸でできているとも言えます。
ちなみに20種類のアミノ酸は、9種類の必須アミノ酸と11種類の非必須アミノ酸に分かれます。
2. 良質なタンパク質の条件とは
良質なタンパク質とは、必須アミノ酸をバランスよく含むタンパク質を指します。
前述のとおり、必須アミノ酸は体内で合成することができません。
食事で意識的に補う必要があります。
食事でタンパク質を摂取しても、その中に含まれる必須アミノ酸が1種類でも不足していると、筋肉を十分に作ることができません。
必須アミノ酸全てをバランスよく含んだ食事をとることが大切です。
3. アミノ酸スコアに着目してタンパク質の質を見極めよう
それでは、良質なタンパク質を摂取するための食材選びのコツについて説明します。
食材に含まれるタンパク質の質は、アミノ酸スコアで判断することができます。
アミノ酸スコアとは、食材に含まれる必須アミノ酸の含有量やバランスを数値化したものです。
この数値は、食材に含まれる必須アミノ酸の量が、必要量に対してどれくらいの割合かで決まります。
すべての必須アミノ酸が、それぞれ必要量を満たしている場合は100となります。
不足するアミノ酸がある場合は、最も低い数値の比率がスコアとなります。
ここで、アミノ酸スコアの考え方について、オリジナル画像を用いて噛み砕いて説明します。
下の図の桶は、9種類のアミノ酸で構成されていて、中でタンパク質を合成することができます。
左の桶は全ての必須アミノ酸が必要量(100)に達しているため、タンパク質が十分に合成されます。
しかし、右の桶は一部の必須アミノ酸が必要量に達していません。
したがって最も値が低いリジンのライン(36)までしかタンパク質を作ることができません。
この場合、アミノ酸スコアは36となります。
アミノ酸スコアの考え方について、お分かりいただけたでしょうか。
主な食材ごとのアミノ酸スコアをまとめたので、ぜひ参考にしてください。
食材 | アミノ酸スコア |
---|---|
卵 牛肉 鶏肉 豚肉 馬肉 牛乳 ヨーグルト 鮭 アジ アナゴ カツオ ぶり |
100 |
ベーコン | 95 |
チーズ 脱脂粉乳 枝豆 |
92 |
大豆 豆乳 |
86 |
かに | 81 |
油揚げ | 77 |
えび | 71 |
玄米 | 68 |
精白米 | 65 |
食パン 小麦粉(薄力粉) くるみ |
44 |
動物性タンパク質の方が、植物性タンパク質よりもアミノ酸スコアが高いことがお分かりいただけるのではないでしょうか。
ですが植物性タンパク質にも、メリットはあります。
したがって、食事をするときは動物性タンパク質と植物性タンパク質を組み合わせると良いです。
1つの食材ではなく、食事全体としてのアミノ酸スコアが高ければ良いです。
ぜひ、アミノ酸スコアに着目しながら色々な食材を食べてみてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
この記事のまとめは以下の通りです。
ポイント
良質なタンパク質の条件は、必須アミノ酸をバランスよく含んでいること
アミノ酸スコアが高くなるように、食事のメニューを工夫することが大事
ぜひタンパク質の質という観点から、食材選びにこだわってみてください。